続・てるてる日記

石井てる美です。ワタナベエンターテインメント所属のピン芸人。てるてるB面。

【発音】LとRの発音の違いで選挙も・・・!?〜アペニン山脈の呪縛〜

明日は統一地方選挙ですね。これほどまでに、日本人が自分たちのリーダーを選ぶことの重要性を身を持って認識していた選挙は近年無かったことでしょう。それだけに、どれだけの人が投票に行くか、どんな結果が出るか、今から楽しみです。





さて、「選挙」は"election"で、動詞の「選出する」は"elect"です。こんなふうに使います↓
nationwide local elections 統一地方選挙
New governors will be elected tomorrow. 明日新しい知事が選出されます。



しかし、このelection、LがRになってerectionになると、たちまち意味が変わってきてしまいます。



Oh my!! Today's election is really heating up. (今日の選挙は激化している。)
Oh my!! Today's erection is really heating up. ([意訳]今日のアナタすごいわ。)



日本語にはLとRの区別が無いので、あえて日本語で表現しようとすると、LもRも両方ラ行(らりるれろ)で発音したり表記したりしますね。("election"も"erection"も(エクション)と書くしかありません。)
でも実際にはラ行の音(らりるれろ)というのは、RよりずっとLの音に近いです。Lの方が日本人にとって自然に発音しやすい音に近く、より難しいのはRの発音の方です。なので、「Rと発音したかったけどLの音になっちゃった、もしくはそう相手に聞こえてしまった」ということは起こり得ても、その逆つまり、「Lと発音したかったけどRになっちゃった: electionと言おうとしてerectionになってしまった」ということは、ふつうに考えたら起こりにくいです。なので、「選挙」と言ったつもりが、相手に笑われてしまった、ということはよほどテンパらない限り起こらないので、こういうパターンは安心です。



問題は、逆パターンのとき、つまり「Rと発音したかったけどLの音になっちゃって、その結果変な意味になった」というときです。もともとLの音に近い「らりるれろ」しか発音できない私たち日本人にとって、Rと言ったつもりがLに聞こえてしまった、という状況の方が頻繁に起こり得ます。

私の友人(日本人)の話ですが、その子は小学生の頃アメリカにいて、お昼の時間に家から持ってきたおにぎりを食べていたところ、アメリカ人の友達に「それなに??」と訊かれました。その子は「ディズ イズ ア ライスボール」と答えたのですが、それを聞いた周りの友達は笑ったそうです。なぜだか分かりますか??

その日本人の子は
"This is a rice ball." 「おにぎり(お米のボール)だよ。」
と言ったつもりが、周りには
"This is a lice ball." 「シラミのボールだよ。」(liceはlouseの複数形で、シラミという意味。)
と聞こえてしまったそうなのです。大人だったらこんなことでいちいち笑ったりしないでしょうが、子供はときに残酷なので、「はははー。シラミの塊だってー。」と言って笑ったそうです。でも、せいぜいシラミみたいな当たり障りの無い意味の言葉に過ぎなくてよかったよかった。







ところで、先ほど“よほどテンパらない限り”と書きましたが、焦ったりパニックになって冷静に考えられなくなって、ふつうのときだったらすぐに分かることでも、なぜか不正解の方を言ってしまいそうになることって無いですか!?
たとえば、"election"だって、何も知らなかったら自然と「エレクション」と発音できるのに、余計なことを知ってしまったせいで、「あれ?これって確かLとRの発音の違いで意味が変わっちゃうんだっけ。だとしたらどっちがどうでどっちがマズいんだっけ。言っちゃいけない方は・・・」なんて考えてるうちに、なぜか口が無駄に難しいRの音を出してしまって"erection"などと言ってしまうかもしれません。
話はちょっと逸れますが、私は大学受験の頃、イタリアにある山脈の名前を覚えるときに最初「ア、ペニ○山脈」と頭にインプットしました。(私の暗記力なんてこんなもんです。)ちなみに、本当の名前は「アペニン山脈」です。「アペニ○」まで覚えられたらあとはもう「アペニン」という音がさらっと出てくるので、もう大丈夫と思っていました。
・・・そして、あるとき塾で地理の授業を受けていたときのこと。その授業は先生が生徒をバンバン名指しして答えさせていたのですが、「はい、じゃあこの山脈の名前はなんでしたか、はい石井さん」と。「きたーーーーーーーーーーーーーーーーーー」と思いました。私がよりによってペ○スの力を拝借して暗記していた固有名詞を答える状況に陥るなんて。教室に生徒は何十人もいるのに、他でもない、私。なんて運命的だろうと思いました。なんかこういうのってなるべくしてなってるんだな、人生ってすべてのことが必然なんだな、とまで一瞬の間に思いが巡りました。思えば、授業内容がその山脈にさしかかったあたりから自分に来る予感すらしていました。そして的中したのです。
で、私はもう答えは分かっていたので、ある意味だいじょうぶなのですが、ある意味だいじょうぶじゃないのです。なぜかテンパり出していたのです。やっぱり授業中に当てられてみんなの前で答えるときって、答えを分かっていても少しは緊張するし、自信が無いときはすんごい焦ったり顔が赤くなったりします。ましてや○ニスにガッチリ託けて覚えた単語を、「ペ○ス」という言葉は決して口に出すこと無く、自分の中でペニ○後にきちんと変換してから声に出さないといけないのです。これはもう焦りました。焦ると冷静に考えられなくなっちゃうのです。「ペニ○じゃなくて、ペニ○じゃなくて、スって言っちゃいけない、スは言っちゃいけない、ス、ス、、、アペニ○?あれ?アペニン?どっちだっけ??」などと、脳内の正常時は答えは明白なのにも関わらず、一瞬の極度の緊張(とあとそんな暗記の仕方しかしていなかったわずかな自責のような念)のせいで、ペ○スの呪縛にとりつかれ、頭の中でぐるぐる回っているうちにさらに分からなくなり、もうあとは運を天に任せるじゃないけど、口から出まかせのノリで、勢いで答えるしかありませんでした。結局「東大地理講座」の授業で生徒数十名がいる教室にどんな言葉が轟いたか、あとは皆さまのご想像にお任せ致します。

以来、私はよりによってあんなフォルムをしているイタリア半島を地図で見るたびに、○ニスの呪縛を思い出すのであります。





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