続・てるてる日記

石井てる美です。ワタナベエンターテインメント所属のピン芸人。てるてるB面。

ヒラリー芸人〜その1〜

11月8日に大統領選が終わって、ニューヨークから帰ってからもありがたいことにプチヒラリー落選特需が続いてバタバタしてましたが、ようやく落ち着いてきたので「ヒラリー芸人」とこの一連の出来事について、心に移りゆくよしなしごとをダラダラと書いてみる。


私は芸人になってから自分のことを「○○芸人」と一つに決めて自称したことがありません。でもどこのどいつか分からないこの芸人のことをメディアで紹介するときにはパッとキャッチーな何かが必要なので、その都度周りの人がいろいろと名付けてくれました。

「東大芸人」
マッキンゼー芸人」
TOEIC満点芸人」
「スケオタ芸人」(フィギュアスケートオタク芸人)
「インテリ三頭身」(これは自分でも言ってるときが。。)

とか。そして今回加わったのが


「ヒラリー芸人」(⦿▽⦿)


ヒラリークリントンという名前がそのままジャンルみたいに扱われてるのがすごいですね。ヒラリーの落選が確定した半日後「自腹で渡航したヒラリー芸人、ニューヨークで落胆」みたいな見出しがYahoo!ニュースのトップに載りました。Yahoo!ニュースのトップって犯罪以外で載ることあるのかみたいに長年思ってたので、まず誰より私が驚きました。そもそも、"ヒラリー芸人"は大統領選が近づいてもさほど注目されていなかったように思います。というのも、オバマ大統領に似ていることで一躍脚光を浴びたノッチさんは、8年前には大統領選前の10月の時点で特番の企画で渡米しオバマ大統領に接近をしていた、とのことだったので、それに比べるとヒラリー芸人ってのはまぁそんなに引きが無いのかなぁと冷静に思っていました。ノッチさんはもうそのままの姿や造形がオバマ大統領にソックリなのが面白いのに対して、私はヒラリーが人を見つけたときの表情が一瞬似ているだけであとはコスプレで寄せているだけだし。(ネタにはそこそこ自信あるけど笑)なので大統領選が近づいて「もうヒラリー大統領になるね!仕事増えるね!」と言われても「なるならないさておきこのネタを楽しくやるのみだす」「んでヒラリーになるとは限らないし」「BREXITとかある時代だし」「ヒラリーがなったところで私の仕事が増えるとは限らないし」「ヒラリーがなってもならなくてもちゃんと自分の足で立てる芸人になるのみですよー!」なんて言ってました。これは私がネガティブなのではなく現実的なのです。「そうなんすよー!私マジ11月以降売れるんでー!」と思えるほど能天気ではない。まぁいざ大統領選が迫ると「やっぱりヒラリーになってくれ!」と欲が出てきたのは事実ですが。わははー。


11月8日火曜日の大統領選を見にニューヨークに行くと決めたのはたった3日前の土曜日のことでした。ヒラリーネタの営業で訪れたパーティーでたまたま徐東輝(そぉとんふぃ)さんという大統領選ウォッチャーとして日本とアメリカを行き来している学生さんに会ったのです。「ボク明日からまたアメリカ行くんすよ!」と言う彼に対して咄嗟に出た言葉が「それ私も行っていいですか!?」と。徐さんに許可をもらう云々の話ではないのですけどなぜかそういう言い方でした。笑 どこかでアメリカ大統領選という世紀の瞬間に立ち会いたいなーと薄々思ってはいたけど、全く勝手が分からないし、きっと仕事も入るだろうから渡米はできないだろうと思って積極的に調べてなかった私の目の前に現れた救世主!?でした。こういうときって不思議と何かに導かれてスルスルっと物事が進んでいくんですよね。偶然にも大統領選当日とその前後にどうしても動かせないという仕事は無く、取材を一件調整してもらうだけで、11月7日の夕方から10日の夕方までの日程を確保することができました。週の真ん中はロケが入ることが多いのですがそれもその週は入ることが無く。てかふつうに考えて大統領選3日前というタイミングでたまたま大統領選ウォッチャーの人に会ったりします!??徐さんに会わなかったら私は絶対に大統領選に行くことは無かったと思うと、ニューヨークに行くのは必然だったんだなとさえ感じます。行く運命にあったというか。英語で言うmeant to beってやつ。


このように衝き動かされて海外に行ったことが過去にもあって、それがトリノオリンピック観戦とソチオリンピック観戦でした。フィギュアスケート観戦が大好きで、中でもオリンピックって本当に特別なので。自分の中で「コレは行かねばっ!」と思ってスイッチが入って動き出すといろいろなアレンジがうまくいくものです。いつも決めるのは超直前。ソチオリンピックのときもちょうどうまくスケジュールが空いてて。ちなみにソチオリンピックはロシアという土地柄のせいなのか全てが高額で、旅行会社のパックだとどこも100万円越え。個人旅行の手配がどえらい面倒な国というのもあり。てなわけで、色々な手続きがかなり手間取ったけども自分で全部手配して50万円弱で行ったのがソチオリンピック。チケット2枚分が含まれているとは言え、出費も手間もけっこう痛手でした。でも思い切って行った甲斐あって、トリノオリンピックのときは目の前で荒川静香さんが金メダルを獲ったし、ソチオリンピックでは真央ちゃんの伝説の演技を目撃することができました。こうやって大枚叩いて海外のイベントに行くのはある種の賭けかもしれません。行った先でどういう歴史的な瞬間に遭遇できるかによって「行った甲斐があった感」が多少変わってきます。荒川さんが金メダルを獲ったか、又は日本人選手が誰もメダルを獲らずに終わったかでは、ぶっちゃけ満足度が変わるということです。まぁとは言え、オリンピックも大統領選ももう地球規模の歴史的イベントであることには変わりないし、自分が居ても立っても居られないくらい好きで惹かれるから行くのであって、どんな結果であれ既に十分な価値があると思って行くんですけどね。私はものすごく物欲が少ない人間で、「モノより経験」と思って生きているので、高いカバンやアクセサリーを買うなら旅行に行きたいと思うタイプです。それで何が言いたいかというと、今回の大統領選を体験するのに支払った14万円はものすごくいい買い物だったなーと思うのです。指を震わせながら決済のボタンを押したソチオリンピックのときと比べたらサクサクと買えてしまいました。


ちなみに、これすごく大事なポイントですが、ソチオリンピックのときも大統領選のときも行く直前に頭を占めている願いは、「真央ちゃん金メダル獲って!」でも「ヒラリー大統領当選して!」でもなく、マジでひとえに「テロとかに遭わずに無事帰って来たい!」でした。「地球規模の歴史的イベント」はすなわち昨今では「テロが起こりやすいです」になってしまいました。ソチのときもそうでしたが、今回の大統領選も「テロが起こると言われている」と散々聞かされ、今となっては「んなこたぁ滅多にあるわけない」と思えるものですが、行く前はやはりかなり怖いものです。書きながら思い出しましたが、ニューヨーク行く前も無事に帰って来れるか、それがだけが怖くて、友人に「私にもしものことがあっても人生最高に楽しかったから!とみんなに伝えておいて」と言ったくらい。あとはヒラリーのコスプレでニューヨークの街を歩くのも相当勇気が要ったし、選挙日の当日なんて「この格好で出歩くのか〜私何やってんだろ」と憂鬱になったりしてましたからね。私そこらへんの感覚はふつうの人なんで。街中がピリピリしてトランプ派の暴徒に殴られたり撃たれたりしないかと、そっちも心配でありました。蓋を開けてみたらニューヨーカーは笑ってくれるし、一緒に写真を撮ろうと言ってくるし、危ないどころか楽しいばかりで、「案ずるより産むが易し」を痛感してきたのでした。海外で何かをするとき、いざやってみると日本でアレコレ思い煩うほど大変ではないし、むしろずっと楽しいことが待っている、という過去に経験してきたはずのことを改めて思い出せました。


こんなの絶対楽しいでしょー。もうこのまま残ってニューヨークでコメディアンデビューしてやろうかと思ったわー。(最近流行りですね。)



ヒラリーのあの顔で指差すとウケました。「顔芸は国境を越える」ことが分かりました。ニューヨーカーが笑ってくれるのが嬉しくて、ふと「あれ、これって私が長年夢見てた『アメリカでお笑いをする』じゃね?」と気づいて、大き過ぎてフタをしていた夢が心の箱の奥からムクムクと湧いて出てきたのでした。



その2に続くとか続かないとか・・・。





-----告知だよ-----

<ライブ・メディアなど>

毎週金曜日 21:00〜23:00 AbemaTV「AbemaPrime」
スマホで見るテレビAbemaTVのAbema newsチャンネル「AbemaPrime」金曜日レギュラー出演中。「てる美にTell Me 〜全国オモシロ企業の秘密〜」「テルミーも転職したい マスコミの現場」担当。


11月21日(月)22:00-23:30 J-WAVE松岡茉優のAVALON」


11月22日(火)24:50〜26:21 AbemaTV「AbemaTVお願い!ランキング お願い!マンピンコン」
ピン芸人の決勝大会!こちらからご覧ください!


11月30日(水)「HAMAエンタvol.12」
開場19:00/開演20:00、場所:マルチエンタメライブ食堂 YOHOHAMA ThreeS(地図)、チケット:1,000円、たかまつななちゃんとのトーク&ネタ1本の1時間のライブです。


12月7日(水)日本テレビナカイの窓


12月11日(日)「ジョシ全開 vol.23〜入れ替え戦〜」
開場15:45/開演16:00、場所:新宿ハイジアV-1(地図)、チケット:前売1,200円/当日1,300円


12月12日(月)「東京シンデレラ8」
開演19:00、場所:なかの芸能小劇場(地図)、チケット:確認します円


12月14日(水)「笑いの泉」
開場18:45/開演19:00、場所:なかの芸能小劇場(地図)、チケット:前売800円/当日1,000円


2017年1月〜3月 NHK Eテレおとなの基礎英語 Season5」(再放送)
火〜金曜日 午前10:15〜10:25
水曜日(火曜深夜) 午前1:00〜1:40(4回分)


<著書>
2013年7月10日に発売された著書です。中国語バージョンも出ました。


<ネタ動画>

「有田ジェネレーション」より「ヒラリークリントン」(9:25〜)

「有田ジェネレーション」より「ヒラリークリントンのヒラリーラップ」(2:10〜)


「言いづらいことを英語っぽく言う」


「セックスアンドザシティのサマンサが気になる日本史ワード」


<インタビュー掲載サイト>
●キャリアインタビューサイト『MY CHOICE』
●クリエイターと読者をつなぐサイト『cakes』
●20代の“はたらき”データベース『キャリアコンパス』前編 後編
●電子ブック楽天kobo『気になるあの人の読書生活』
●知的好奇心をくすぐる、大人の英語学習マガジン『Cheer up! English』前編 後編
●東大卒業生の総合サイト『卒業生に聞く「夢・仕事・自分」』
●NHK解説委員室ブログ「視点・論点『シリーズ・人生再出発 他人の目なんか気にするな』
●キャリアとビジネスのニュース・コラムサイト『リクナビNEXT JOURNAL』
ダイヤモンド社のビジネス情報サイト「あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか」著者津田久資氏との対談(上)(下)
朝日新聞デジタル『センター試験中鼻血どばーっ!お笑い芸人石井てる美さん』
●20代の“はたらき”データベース『キャリアコンパス』『元マッキンゼーのお笑い芸人・石井てる美の人生に影響を与えた3冊の本とは』


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