続・てるてる日記

石井てる美です。ワタナベエンターテインメント所属のピン芸人。てるてるB面。

【番外編】今やっておくべきこと(被災地への支援の次に)

東北地方の被災状況に胸が痛む日々が続きます。電力不足のために節電もしなくてはなりません。なので、あんまりPCを使うのもはばかられるのですが、これだけは書いておこうと思い。

被災地以外にいる人は、今節電や募金や日常の経済活動以外に、直接何か被災地のためにできることはほとんどありません。このことは哀しいし、無力感に襲われているのも私だけじゃないはずです。でも、これは現実で、仕方のないことです。
だったら、心配ならばテレビを見ながらでもいいので、今のうちに防災対策をしておくべきだと思います。余震の可能性も高いと言われているし、今回余震が無くても、また地震は忘れた頃にやってきます。人間忘れるとまた防災に鈍感になってしまいます。その頃にはこれから書くことを書いても、たぶん全く無駄で、トンチンカンな雰囲気がしてしまうでしょう。なので、災害の怖さを直に感じている今のうちに書いておこうと思います。


具体的には、基本的なことですが、家の頭を軽くすること、重い物は下ろすこと。私は大学時代の工学部で防災の授業を受けましたが、地震専門の教授がとにかく建物を軽く(2階建ての家なら2階にあまり重い物を置かない)して倒壊を防ぐことを繰り返し強調されていました。
今回のように津波の被害を受けやすい沿岸部だと話は別ですが、そうでなく、海岸から離れている都市部などの場合の話をします。都市部や住宅街では、地震が発生したときに一番怖いのが建物の倒壊とそれに誘発される火災です。阪神淡路大震災のときは、亡くなった方の90%は地震発生後15分以内に亡くなられているそうです。(細かい数値は違うかもしれませんが、今私が伝えたいメッセージのためには、数値の精確さは不要なので、あえて書きます。)
これはつまり、命の最大の危機は、地震の発生時またはその直後の15分間に襲ってくるということです。言い方を変えると、地震発生直後を生き延びさえすれば、命は90%の確率でほぼ助かるということです。なので、地震が発生したまさにその瞬間を生き延びるための対策を、まず最初に今のうちにやっておくべきなのです。
具体的には、建物の倒壊を防ぐこと(重い物は下へ下へ)、頭上から落下する危険性のある重いものを排除すること、棚が倒れない処置をする、扉の前に倒れそうな物を置かない(火事に備え逃げ道を確保)、など小さいことでも何がその瞬間に命を左右するか分からないので、できることを絶対に今のうちにやっておくといいと思います。
食料を買い込むことももちろん大事ですが、二の次でいいそうです。なぜなら、地震直後さえ生き延びれば、その後食べ物が無くて餓死するということはありえないからです。(今回の東北の津波の被災地とは事情が違うことを強調しておきます。)
私も昨日は家の棚を柱にくくりつける作業をしましたが、道具が足りないのでお店に行ったら、防災グッズはきれいに売り切れていました。やはり、こうして実際に身近で大地震が起きて、やっと初めて災害がリアルになって、人はいつか自分の身にもふりかかるかもしれない危険に敏感になるのだなと思いました。自分も含めて。被災地で大変な思いをされている方の心配を差し置いて自分の周辺の対策をするのも身勝手かもしれません。でも、平穏な日常で危機意識が薄い中ではこういった作業の優先順位は下がり、間違いなく疎かになります。なので、いつか別の場所で起こりうる地震に備えて、今こそ防災をするべきだと思います。


今回の災害は海外でもよほど大きく取り上げられているのでしょう、心配してくれた海外の友達がたくさんメッセージを送ってくれました。「日本のために何ができるか教えて」と訊かれるのですが、何が本当に被災地の方のためになるのか、"募金""祈り"以外に答えが見つからない自分が無力でなりません。本当に、一人でも多くの方がご無事であるよう、この大変な状況を乗り越えられるよう、祈るばかりです。